前回の記事では、エンゲージメントサーベイについて概要をまとめてみたりしました。
そこで、以下のような疑問をもつ人もいるのではないでしょうか。
- サーベイを通じて、組織変革がうまくいく組織ってどういう組織なんだろう?
- エンゲージメントサーベイで成功している組織って何をしているんだろう?
このような疑問にお答えできるように、「成功する組織変革の要素」や「サーベイフィードバックが成功する組織」についてまとめていきたいと思います。
今回は、「【エンゲージメントサーベイ】成功する組織変革に必要な要素とデータに対する意味づけの重要性」と題してご紹介してまいります。
結論をここでも先だしすると、データを解釈したり意味づけしたりする「現場での対話」がとても大切だってことですね。
ぜひ参考にしてみてください。
それではさっそくみていきましょ〜!
エンゲージメントサーベイとは?従業員満足度との違いやなぜサーベイが必要なのかについて
もくじ
成功する組織変革に満たされる要素
ここでは、アメリカの経営学会の論文で発表された「成功する組織変革に満たされる要因」というのをご紹介します。
成功する組織変革に満たされる要因とは以下のような項目ですね。
成功する組織変革に満たされる要因
- 問題に関するデータ(事実)を集める
- 変化に対する組織の準備度合いやタイミングを見極める
- 科学的知見に基づいた変革のための介入
- 効果的な変革のリーダーシップを開発する
- 説得力のある変革のビジョンを開発し伝える
- ソーシャルネットワークを用いて働きかけて影響力を活用する
- 実施をサポートするために有効な実践を利用する
- 小さなプロセスと実験を促進する
- ゆっくり時間をかけて変革の進捗と成果を評価する
- 変革が効果を持続的に発揮できるように制度化する
参考:Successful Organizational Change: Integrating the Management Practice and Scholarly Literatures
こういったリストから見てもわかると思いますが、まず第一歩目に必ず「データを集める」というのが出てきていますね。
サーベイによる見える化は、これからの職場の変革や、働きやすい職場づくりにとってとても重要な位置付けですね。
また、⑩の「変革が効果を持続的に発揮できるように制度化する」というのは、取り組んできている企業も多そうです。
一方で、読んでみて気になったのは、後半の⑧⑨の部分は多く課題になりそうです。
取り組みへの持続性の課題
⑧の「小さなプロセスと実験を促進する」はいかがでしょう?
なかなか実験を始めても、継続的に実験を繰り返す仕組みや風土を作っていくのが別の議論でありそうですね。
実験的に何かを始めるということがあったとしても、それを継続していくというのがなかなか難しそうですね。
例えば、
- 誰かが退職してその実験への取り組みが頓挫してしまった
- 組織やチームの異動により取り組みをリードしていた人物が不在になってしまった
- 後任担当者の取り組みへの温度差がある
なども考えられますね。
こういった事態におちいると、どんどん実験的取り組みも形骸化してしまいます。
「待てない」という時間的な制約
また、⑨の「ゆっくり時間をかけて変革の進捗と成果を評価する」というのも、なかなかそこまで待てない状況というのもありそうです。
環境変化のスピードもどんどん加速化していく中で、会社側も早く組織変革後の組織をワークさせたいと思います。
この辺りをいかに効率的に生み出していくか、組織やチームをワークさせていくかが、組織をデザインするときの課題になりそうです。
この辺りについては、組織開発などのチームワークの領域にもなりますね。
組織開発もまたブームとなりつつあるの分野で、僕もいろいろと模索していくので、このWebサイトでも探求していきたいですね。
関連する記事
組織のエンゲージメントを高めるおすすめ本8冊を紹介:組織と社員が成長し合える組織開発
成果が出るチームが身につけているチームに対する3つの視点とは?きっとこれめっちゃムズイけど…
サーベイ・フィードバックが失敗する組織と成功する組織の違い
サーベイのフィードバックって成功する組織と失敗する組織に大きく分かれます。
そして、結構失敗に終わってしまう組織が大半だったりしますね。
その要因は何かについて、こちらではご紹介しようと思います。
「見える化」するだけでは、組織変革が成功するとは限らないんですよね。
では、組織変革が失敗するサーベイ・フィードバックとはどのようなものでしょうか?
サーベイによって組織変革が失敗する組織
- サーベイ結果を現場へ共有➡︎現場へ変革を促す
こんなふうに、サーベイの結果だけで現場が変わるってことはないですね。
一方で、上手くいくサーベイ・フィードバックとはどんなものでしょう?
サーベイによって組織変革が成功する組織
- サーベイ結果を現場へ共有➡︎サーベイのデータを見ながら現場で対話をして意味づけを行う➡︎現場が主導して変革を行う
いかがでしょう?
「データや数字だけでは現場の変革は起こらない」ということですね。
大切なのは、組織のメンバーのデータに対する納得感や意味づけ、そこに行き着くまでの対話だったりします。
組織の変わり方として、正しいフローは以下のようになりますね。
組織変革の正しいフロー
- データによる現状の可視化と把握:Input(インプット)
- 現場の人による解釈と意味づけ:Throughput(スループット)
- 人・組織・現場を変える行動:Output(アウトプット)
自分たちで語り合って、自分たちでアクションを描いて、自分達でフォローをしていくことで、やっと現場や現状が変わり始めるんでしょうね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
改めて、組織変革の正しいフローについて記載しておきます。
組織変革の正しいフロー
- データによる現状の可視化と把握:Input(インプット)
- 現場の人による解釈と意味づけ:Throughput(スループット)
- 人・組織・現場を変える行動:Output(アウトプット)
特に②のスループットの場を作っていくことがポイントですね。
やっぱり対話が重要というふうに、ここでも出てきましたね。
こういう対話では、問題解決の思考やコミュニケーションが大切になってきます。
そういった切り口などが参考に対話ができると、より変革も加速しそうですね。
今回は、「【エンゲージメントサーベイ】成功する組織変革に必要な要素とデータに対する意味づけの重要性」と題してご紹介してまいりました。
ぜひ参考になれば嬉しいですね。
それでは、また次回!
関連する記事まとめ
エンゲージメントサーベイとは?従業員満足度との違いやなぜサーベイが必要なのかについて
成果が出るチームが身につけているチームに対する3つの視点とは?きっとこれめっちゃムズイけど…
問題解決力や思考力を高めるおすすめ本厳選10冊【思考編】押さえておくべき王道な名著ばかり