人と組織と働き方

目標設定とコントロールのパラドックス:最終責任は資本家しか担えない言ってはいけない真実

これを読まれている人の中では、会社や上位層に対して以下のように思ったことはありませんか?

  • 役員も事業部長も勝手なことばっかり言って、全部こっちがやる羽目になるんだよな
  • 会社の目指す目標数値を達成してくれって、そもそもその数字の根拠はなんだろ?
  • 目標っていうか願望だよな、乗り越えなければいけない課題とかって全く考えられてないし

これも組織の中で起こるマネジメントのジレンマですよね。

つまり、先日ご紹介したような秩序のパラドックスのような事態が、今度は自分の上司によって巻き起こされるような状況です。

事業部長やゼネラル・マネジャーが(自分は無秩序に行動し)現場マネジメントラインには秩序を求めるパターンですね

やっぱりカオスな状況だと思いますが…。

では、自分よりも上のマネジャーが「統制された無秩序状態」の中で更なる統制をかけてきた場合、どのように現場のマネジャーは行動すればいいのでしょうか?

周りから一目置かれる優秀で人望のあるような人「意気の良い現場マネジャー」は以下のような行動を取ります。

意気の良い現場マネジャーの行動

  • 所属組織の上位層など考慮せずに勝手に現場で動き回る
  • 他の部署の上位層や役職者を上手く抱き抱えている
  • 一段上のマネジメントの枠外でマネジメントを行う

一言でいえば、したたかってことですかね。

今回は「目標設定とコントロールのパラドックス:最終責任は資本家しか担えない言ってはいけない真実」と題してご紹介してまいります。

それでは、さっそく見ていきましょ~。

もくじ

目標設定とコントロールのパラドックス:統制された無秩序に輪をかける統制

地位の高いマネジャーが、無秩序の中で自分の下位マネジャーに対してさらに統制をかけてくるケースについてご紹介していきます。

上位層マネジメントが現場マネジメントにもたらす弊害としては、以下ですね。

上位層マネジメントが現場マネジメントにもたらす弊害

  • 目標設定のパラドックス
  • コントロールのパラドックス

以下で一つずつ見ていきましょう。

目標設定のパラドックス

こちらは冒頭の、

  • 会社の目指す目標数値を達成してくれって、そもそもその数字の根拠はなんだろ?
  • 目標っていうか願望だよな、乗り越えなければいけない課題とかって全く考えられてないし

を思い出してもらえればと思います。

無秩序の中で上位層は目標を言い渡すことによって「明確さ」をもたらすことができる(と期待している)と考えています。

(自分は長期的に物事を考えているんだと言わんばかりに…)

つまりは以下のような感じですね。

「方向性や方針がわからない?我々の目指す目標はこれです!ちゃんとみんな頑張って達成しましょう!」

↑オイオイ、マジかよ…といいたくなるヤツをイメージしてくださいw

以前の記事にも少し触れましたが、組織の出す数値目標は、えてして根拠のないものだったり、地に足のついていない願望だったりします。

上記にも書きましたが、乗り越えなければいけない現実的な課題が全く考慮されていないってことが多くあります。

つまり、現場のマネジャーに押し付けられてるだけなんですよね。

その結果、マネジャーが突然辞める組織になったり、マネジメント間では波風を立てない風潮が生まれたりしますね。

コントロールのパラドックス

もう一つ、「コントロールのパラドックス」というのがありますね。

ここでは、コントロールのパラドックスが起こるプロセスを記載してみたいと思います。

コントロールのパラドックスが起こるプロセス

  1. 自分の有能性を上司にアピールしたい
  2. 上位層の要求を下位メンバーに伝える
  3. 現場に対するコントロールが強化される
  4. 現場のプレッシャーがだんだん重くなる
  5. 不満を訴える顧客とメンバーの対応に追われる

役員層や事業部長クラスだと、④⑤の情報は、現場マネジメントによってまとめられた資料や抽象化されたデータ、ダッシュボードなどによって「記号」として伝わります。

これによっても、人間性のもつ曖昧さは排除されます。

こうしてまた、明確な目標設定をすれば良いという無限ループに陥っていくわけですね。

(その前に、組織のエンゲージメントやモチベーションが低くてメンタルやリテンションなどの問題を引き起こすんでしょうけど)

意気の良い現場マネジャーの反乱

このような状況をずっと見てきた現場のメンバーがマネジメントについた時、彼らがとるべきスタンスは以下ですね。

意気の良い現場マネジャーの行動

  • 所属組織の上位層など考慮せずに勝手に現場で動き回る
  • 他の部署の上位層や役職者を上手く抱き抱えている
  • 一段上のマネジメントの枠外でマネジメントを行う

メンバー時代から培った技能と経験とネットワークを駆使して、マネジメントの枠の外でマネジメントを実行したりします。

そして、そういったマネジャーは「自分達に責任なんてない」というのをよく知っています。

(そもそも、組織に属する社員の「責任」とは何か?をよく理解していますからね)

こうなると、どんどん組織階層の下から上に向けての突き上げと、上位層の無能が明らかになってしまうでしょうね。

ちなみに、近年見た事例だと、「部長がマネジャーの仕事をしてしまっている」などと、上位職から見た現場マネジメントに対する課題を上げていたりします。

ただ、それをいってしまっている上位職層の本人たちが、

  • もはや現場の業務を把握できなくなっている
  • 現場課題に対する打ち手を考えることもできない
  • それを悟られないように「長期目線」や「戦略的思考」を現場マネジャーに求める

みたいな現象も起こっているなと感じることが多いです。

まさにカオスだと思いますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

中盤以降からかなりオブラートに包んだ表現をしてしまっているから、わかりにくいと思う人も多いかもしれませんね。

すみません。

今回は「目標設定とコントロールのパラドックス:最終責任は資本家しか担えない言ってはいけない真実」と題してご紹介してまいりました。

ま、参考になる人に参考になれば。

それではまた次回!