スキルとキャリア

イントラパーソナルダイバーシティとは:複数の役割を内在化させることで発揮される独自性

皆さんは、「イントラパーソナルダイバーシティ」という言葉って聞いたことありますか?

もしかしたら、あま聞いたことがないかもしれませんね。

イントラパーソナルダイバーシティを一言でいうと、以下のような感じかもしれません。

イントラパーソナルダイバーシティ = 個人の中に内在化させた多様な役割

よく、「組織の中の多様な人材」とか「人材の価値観の多様化」などと言いますよね。

それが、個人の中にも多様な役割を担っていくことで、ものすごい人物になれますよって最近だと言われるようになりました。

そこで、今回は「イントラパーソナルダイバーシティとは:複数の役割を内在化させることで発揮される独自性」と題して、イントラパーソナルダイバーシティについて解説していきたいと思います。

プロティアンキャリアなどにも通づるような、スキルや今後のキャリア形成の考え方の参考になると思いますよ。

それでは、さっそく見ていきましょう!

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もくじ

イントラパーソナルダイバーシティとは?

イントラパーソナルダイバーシティをWebで調べてみると、以下のような解説が出てきていますね。

イントラパーソナルダイバーシティ

早稲田大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授 入山章栄氏は「個人が、これまでとは違う場に積極的に出たり、経験することで個人の中に養われる多様性のこと」と説明しています。また、入山章栄氏の著書「世界標準の経営理論」(ダイヤモンド社)第2部13章p244には、近年の実証研究で「イントラパーソナル・ダイバーシティの高い人は様々な側面でパフォーマンスが高い」という結果が得られていると書かれています。

引用:https://hteam8.work/wp/2020/07/08/blog20200708/

色んな役割を個人の中に内在化させることで、個人の中でシナジーを発揮してものすごいパフォーマンスを発揮するというような考え方です。

例えば、音楽業界においても、面白い研究がされていますね。

オリコン35年分(約25,000曲)のシングル曲をデータ収集して、「楽曲制作プロジェクトチームにどのような経験を持った人がいるとヒットするか?」を統計的に調査したことがあったようです。

その研究によると、ヒットを作れる可能性の高いアーティストは、歌い手、作曲、作詞、プロデュース、編曲、各種楽器などの要素において「多くの役割を別々に経験してきている人」という結果が出たようです(法政大学 永山晋先生の研究より)。

つまり、多くの役割を自分の中に内在化させると、その役割の領域が掛け算され、役割が多ければ多いほど他人ではたどり着けない独自性を生むことがわかってきています。

個人と他者の多様性の掛け合わせが最強

イントラパーソナルダイバーシティは、藤原和博さんの有名な「レアカード理論」にも似ていますね。

レアカード理論は「ある領域で100人に1人の存在になり、それを3回繰り返せば(100×100×100)100万人に1人の独自領域を作れる」という考え方です。

ぼくの場合だと、無駄に年齢を食ってしまってきていますが、以下のような役割をになってきていましたね(職種ではなく)。

  1. 営業という経験(8年+6年)
  2. Webディレクターという経験(6年)
  3. 人事系コンサルタント(駆け出し1年)

①②③の領域それぞれでは、日本には何十万人といるかもしれません。

なので、もう少し違った領域の経験を積んでいく必要もありそうです。

(プライベートな役割と、最近の個人としての発信業なども入れると、もうちょっと役割としては多いかもしれないので、まだまだ領域と独自性のノビシロはあるかもw)

一方で、「他の役割を持っている人とシナジーを生み出せば良いのでは?」と疑問に思う人もいるかもしれませんね。

それも確かに効果は高いですし、7つの習慣などでは、それを重要視していますね。

ただ、そういった人との出会いを作ったり、話し合うスケジュールを合わせたり、共通言語を用いるのに要する時間が非常にかかったりします。

個人の中に複数の役割を内在化させると、このスピードがグッと早まり、新しいものを生み出す可能性が高まり、一つの独自性を生み出すアプローチとして、実践してみても良いのではないかなと思います。

なので、

個人の内在化した多様性 × 他者の内在化した多様性

が今のところ、独自性を生み出す最強のソリューションなんじゃないかと、思っています。

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独自性は、お友達がいなくなるw

誰かとシナジーを生み出していくときって、コミュニケーションが本当に難しいですね。

独自性って言うと、とてもカッコよく聞こえるかもしれません。

ですが、お互いに独自性が強いと、こだわりが強くなりすぎたりして、Win-Winの落とし所が作れなかったりします。

あと、個人としても独自性が追求されていくと、徐々に周りの人から理解されなくなったりしていくので、お友達はいなくなるかもしれませんね(ぼくの感想)。

一方で、画一性を望む雰囲気や文化は、そこにいる人には慢性疾患的に、自覚症状がなかったりします。

つまり、意識しておきたいことは、自分を客観的・俯瞰的に見ること、所属している組織やコミュニティを俯瞰して見てみること

そこで、どのポイント(フィールド、ミッションなど)で独自性を活かして活躍できるかを考えて実行する、セルフ・プロデュース能力が大切だったりするかもですね。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、「イントラパーソナルダイバーシティとは:複数の役割を内在化させることで発揮される独自性」と題してご紹介してまいりました。

参考になれば嬉しいですね。

それでは、また次回!

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