これを読まれている人は、以下のような声を聞いたり思ったりしたことはないでしょうか?
- 現場の人材育成をどうやったら加速させることができるのか?
- 現場で必要な学習ってどういうものがあるんだろう?
- そもそも、現場ではどんな学習機会提供の場が作れるのかな?
こういった疑問に答えてくれるのが、現場の人材育成を加速させる5つの学習機会です。
現場の人材育成を加速させる5つの学習機会とは、どういうものかというと以下ですね。
現場の人材育成を加速させる5つの学習機会
- 組織社会化
- 経験学習
- 職場学習
- 組織再社会化
- 越境学習
こちらは、経営学習という研究分野で用いられている学習機会です。
今、まさに環境が変わって組織の中も変わっている中で、この職場での学習機会をどうデザインするかっていうことが本当に重要だと思います。
以前にもCFRという観点で職場のデザインについて触れましたが、今回も職場のデザインという意味では、個人の学習機会に着目をしています。
今回は、「現場の人材育成を加速させる5つの学習機会:計画的・意図的な学習のデザインが急務な理由」と題してご紹介していきます。
見落としている視点もあるかもしれないので、参考になれば嬉しいですね。
それでは、さっそくみていきましょ〜。
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もくじ
現場の人材育成を加速させる5つの学習機会
それでは、現場の人材育成を加速させる5つの学習機会についてご紹介していきます。
改めて、5つの学習機会というのは、以下です。
現場の人材育成を加速させる5つの学習機会
- 組織社会化
- 経験学習
- 職場学習
- 組織再社会化
- 越境学習
それでは、以下で1つひとつみていきましょう。
組織社会化
1つ目は、「組織社会化」というキーワードですね。
これは、新入社員をイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。
社員個人がその組織の役割を担うのに必要となる知識や業務技術を習得するような学習プロセスのことです。
新人研修とか、新人のオンボーディングのプログラムなどが挙げられます。
経験学習
経験学習はこのWebサイトでもよく書くキーワードかもしれませんね。
こちらは、一般的には「現場での業務の積み重ねと、その振り返りによる学習」と言われていますよね。
以前にも、経験学習サイクルについて記事を書いていますので、そちらも参考にしてみてください。
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職場学習
職場学習についてここではご紹介してまいります。
職場学習は、個人が仕事を経験していくにあたって、他者との関わりを通じて深めていくような学習機会をいいます。
OJTのトレーニングもそうですし、1オン1などでの他者との関わりによってもたらされる効果のことを職場学習と言ったりします。
職場学習においては、精神的支援・業務支援・内省支援の3つの支援が得られることで、成長機会としては効果が期待されているものですね。
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組織再社会化
組織再社会化について簡単にご紹介していきます。
組織再社会化というのはあまり聞きなれない言葉かもしれません。
それは組織社会化の中途採用版・異動版の考え方ですね(と、ぼくは理解していますけど。)
中途の人も、それまでの組織のやり方や感覚というのをもったまま、別の組織に編入してきます。
そういった人を、自分達の組織のやり方に行動変容していってもらったり、新たに学んでいただくことの事を言いますね。
けっこう、この辺りのケアを計画的・意図的にしていくのが、難しかったりしますね。
越境学習
越境学習というのは、あまり聞きなれないかもしれませんね。
越境学習は、組織で働く個人が、組織の外で学ぶ行為ですね。
例えば、社外の人と交流を持ったり、組織の外の勉強会に出たりするような事ですね。
そう言った機会を通じて、自組織のことを客観的視点を取り入れて見てみることで、気づかなかった視点や職場の改善点などが見えてきます。
また、革新的なアイディアを発見することも起こりますね。
現場の人材育成を計画的・意図的にデザインすることが急務
ここまでご紹介したように、この5つの学習機会というのが組織や経営環境の中では存在します。
これらの機会をちゃんと見据えて学習機会を人材に提供しようってことです。
でも、なんでまたこういうことが求められているのか、その理由について考察してみました。
僕なりに出したその考察が以下の5つですね。
現場で直面している職場の課題
- 職場の多様化(雇用形態や働く場所、人種や職種)
- 仕事の細分化・暗黙知化
- 組織情報の非対称性を生む組織構造
- 業務改善や・効率化施策による意図せぬ合理追求
よく言われていて「いわずもがな」なこともあると思いますが、簡単に1つひとつ解説していきます。
職場の多様化(雇用形態や働く場所、人種や職種)
職場の多様化というのは、よく聞く話かもしれませんね。
ずっと日本の会社は正社員で終身雇用で、家族のような経営というのがスタンダートでした。
それが今では、雇用形態、人種などがバラバラで、そういうのが当たり前のビジネス環境になりましたよね。
また、働く場所もオフィスではなく、コワーキング・スペースだったり、自宅や近所のカフェなどで働くということも可能になりました。
その分、同じ環境にいるわけではないので、価値観の共有、情報連携など、コミュニケーションの機会を意図的に作る必要もあったりするんですよね。
こういったことが職場で起こっていることも、学習機会をデザインする必要性の理由になります。
仕事の細分化・暗黙知化
①と関連はしてきますが、仕事というのがどんどん細分化・暗黙知化されていっています。
こういった時に、その仕事を受け持つ人が他者と関わりを持つ機会そのものが減っていってしまいます。
それにつれて業務経験がどんどん偏っていく、本人にしかわからない仕事が出来上がってしまうなどが発生してしまいます。
こういった事態を生み出さないように、職場の中で誰がどの仕事をしていて、どのように関わっていくのかを把握したりすることが大切ですね。
組織情報の非対称性を生む組織構造
情報連携でもう一つ起こりがちなのが、上位職による情報のストックですね。
情報を下のメンバーに下ろすか否か、など、上位職の人が判断できるような情報構造になっていることもまだまだ良くあります。
また、上から情報が降りてこない、明確でないことによる現場メンバーのストレスなどもあったりしますね。
こういった情報の連携の機会、会話の広がりをもたらす機会を作ることが、職場内の学習効果を高める効果に結びついていきます。
上位職の勝手な判断で、下に伝える・伝えないという情報があるのは、現場課題発見の機会損失をもたらすってもんですよね。
業務改善や効率化施策による意図せぬ合理追求
この数ヵ年は、組織の業務プロセスの改善や効率化などといった働き方のハード面の改変が盛んに行われたと思います。
一方で、その弊害も起こっていますよね。
コロナなどによってフル・リモートワークが実現された組織でも、実は他者と関わる機会が減って精神的な不調に追い込まれる人もいるようです。
こういった不足の事態を回避するためにも、人と人とが関わり合う場を計画的に設けようという動きが発生しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
上記のような変化にまさに直面しているからこそ、職場の人材開発や組織開発を意図的にデザインした方が良いんだよ、というお話でした。
人事の人もそうですが、現場の人にとっても、「こういった学習機会や切り口があるんだよ」というのが広まっていくと良いですね。
現場では、現場に適した学び方っていうのがそれぞれあると思います。
なので、状況やリソースに応じた学習機会のデザインをし、メンバーと一緒に成長していってほしいと願うばかりです。
(それこそ、サーベイで能力と職場と両方を定点観測すると良い話ですけど、なかなかこれができないんだ、色んな事情で)
そんなようなお手伝いも多少はできますので、関心があればご連絡ください。
今回は、「現場の人材育成を加速させる5つの学習機会:計画的・意図的な学習のデザインが急務な理由」と題してご紹介してまいりました。
参考になれば嬉しいですね。
それでは、また次回!
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