これを読まれている人は、マネジャーの仕事に以下のようなイメージを持っていませんか?
「マネジャーの役割で大切なことは、戦略的な目標と意思を明確に持って、計画を体系的に策定すること。」
いわゆるマネジメント論とか、管理職の研修とかでも、もっともらしく言われているのがこのような神話ですね。
マネジメントの神話でもっともらしいのだと、他には以下のようなものがあります。
- CEOの描くビジョンに基づき、
- 現場のマネジャーも壮大な戦略イメージを描いて、
- 時には、難しい状況の中でも、ものすごい決断を下して、
- 未来に向かって合理的な計画を立てて
- メンバーから慕われて尊望の眼差しで期待されている
みたいなイメージをマネジャーには求めてしまいますよね。
でも、ちょっと待ってくださいね。
いる?こんな人。
先日の記事にも書きましたけど、これ、たぶんむりですね。笑
実際には、このようにマネジャーの役割としては求められますが、多くのマネジャーは以下のような行動をとっていると思います。
多くのマネジャーが行なっている行動とは、
- いつも時間に追われて、
- いろんな活動や業務を細切れにこなして、
- さまざまな業務を自分でこなして、
自分よりも上の立場の人が求める「成果(業績)」を求めて行動する
ってのが、現実としてさぞ多いと思います。
なので、結論としては、
「マネジャーの役割で大切なことは、戦略的な目標と意思を明確に持って、計画を体系的に策定すること。」は神話である。
ってことを、今回は言いたいと思います。
今回は「マネジャーの役割は戦略目標と意思を持って体系立てられた計画を策定すること、っていう神話」と題してご紹介してまいります。
(この記事では、まだ解決策は提示しませんのでご了承ください。)
それではさっそくみていきましょう〜。
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もくじ
マネジャーの役割はなかなか果たせないという現実
ここでは、マネジャーの役割はなかなか果たすことは難しいってことについてまとめてみたいと思います。
冒頭にも書きましたけど、現実的なマネジャーの行動・活動とは以下のような活動ですね。
多くのマネジャーが行なっている行動
- いつも時間に追われて
- いろんな活動や業務を細切れにこなし
- さまざまな業務を自分でこなしている
じゃ、どうしてマネジャーは役割を果たせずに、上記のような状態になっているのか、一つずつ解説をしてみたいと思います。
マネジャーが役割を果たせず、いつも時間に追われている理由は何か?
1つ目の、マネジャーが役割を果たせずに、いつも時間に追われている理由はなぜなのか?という点について考えてみたいと思います。
結論を言うと、以下ですね。
マネジャーがいつも時間に追われている理由
- 「マネジメントという仕事に終わりがないから」
なんだか禅問答みたいですが、たぶんこれが答えなんです。
マネジャーという役割を担っている以上は、ずっと何かしらの問題と成果に向き合っているはずですね。
先日も書きましたが、限定的合理性の範囲の中で結果を導き出したとしても、限定的な合理性を超えた問題にも関わらなければいけませんからね。
あらゆる方面で問題がどんどん勃発して、いつも当事者としてさらされることになるので、終わりはないんですよね。
仕事が終わった!っていう解放感って、もしかしたら無いのかもしれないですね。
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マネジャーが役割を果たせず細切れに業務遂行・中断する理由
次に、なぜマネジャーは業務を細切れにしか実行せざるを得ないのか?について解説していきます。
(ここはちょっと自信ないですけど)
その理由としては、以下ですね。
マネジャーが業務を細切れに実行せざるを得ない理由
- 最新の情報をキャッチアップできないことが怖いから
例えば、マネジャー自身が主導しているプロジェクトや業務があったとして、リスクの発生する事案は常に把握しておきたいと思いますよね。
また、関連する情報をタイムリーに仕入れたり、あるいはより良い状態になるための情報のキャッチアップというのもとても注力したいと考えています。
今やるべきことに集中せず(できずに)、「他にやるべきことを見逃していないか?」「他にやってもいい仕事があるのではないか」と不安になっているのかもしれません。
つまり、機会損失を恐れるから、自分の業務を中断してもメンバーとのミーティングや割り込みにも応じてしまうんですよね。
(これを続けると、専門性を失って、いわゆる「上っ面症候群」になっちゃいますね)
マネジャーが役割を果たすために自分で業務を遂行しちゃう理由
3つ目は、マネジャー本人が自分で色々とやってしまうっていうやつですね。
これもあるあるだと思います。
この理由も、2つ目と同様です。
つまり、
最新の情報に触れながら自分自身で行わないと不安になるから
ですね。
あとは、なんとなくこのように自ら実行している時に、自然と自分の頭の中に「今後の計画」が描かれていったり、結論が導き出されたりすることもあったりします。
組織の計画と意思決定は、こうやって普段マネジャー自身も見えない・意図しないうちに下されていることが多かったりします。
こういった経験なども手伝って、マネジャーは自分で業務遂行したくなるのかもしれないです。
むしろ、自分で実行している方が、好都合だったりするんですよね。
まとめ:学者の著書も「あるべき」ばかりで現実的でない印象
いかがでしたでしょうか?
マネジャーって、よく言われているような「あるべきを目指して、役割を全うしているわけではないってことですね。
ほとんどの学者さんの著書なども、「あるべき」論が多くて、あまり現実的でなかったりすることも多いかと思います。
実際にはそんな上手くいかないことが大半でしょうし、「あるべき」を学んで、それを愚直にチャレンジもせずに日常業務の中でなんとなく計画立てて意思決定する、ってのが一般的なマネジメントなんでしょうね。
「そうせざるを得ない、むしろそれが普通でしょ?」って感覚の方が、過度なマネジャーへの役割への期待もなく、現実と向き合って仕事をしていけるので、健全かもしれないですよ。
今回は、「マネジャーの役割は戦略目標と意思を持って体系立てられた計画を策定すること、っていう神話」と題してご紹介してまいりました。
それでは、また次回!
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