人と組織と働き方

相手に対する”答えのない問い”をあれこれ考える「ナラティブ」への姿勢と対話が成果に結びつく

以前の記事で、人への関心の第一歩として「適応課題」の4つのタイプというのをご紹介しました。

今回はもう少し、いち個人への関心の第一歩として「ナラティブ」という考え方をご紹介していきたいと思います。

この「ナラティブ」という考え方は、チームを作っていったり、同じ価値観を持つ人と働くというようなマネジメントにおいてもとても有効的な考え方です。

また、人脈構築などのネットワークであったり、交渉する場面においても、とても使える考え方ですね。

ぼくも長く営業という仕事をしてきましたが、この「ナラティブ」という考え方に近いことを意識的にしてきていましたね。

「ナラティブ」という考え方を取り入れることによって、人との信頼関係構築も、とてもしやすくなると思います。

今回は「相手に対する”答えのない問い”をあれこれ考える「ナラティブ」への姿勢と対話が成果に結びつく」と題して、ナラティブについてご紹介してまいります。

それでは、さっそくみていきましょう!

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もくじ

“答えのない問い”をあれこれ考える「ナラティブ」という考え方

それでは、ここから「ナラティブ」について解説していきたいと思います。

※ちなみに、この記事では、ぼくの浅い理解と解釈がふんだんに盛り込まれていますので、ご注意くださいね♪

ナラティブとは何かを一言でいうと、「相手の目線で物事を捉える」という事ですね。

この「相手の目線で物事を捉える」というのが、なかなか難しいからみなさん困っているんだと思いますけどw

それでは、どのようにすれば相手目線で物事を捉えられるようになるかについてご紹介していきます。

ポイントは、

相手の持っているストーリーが何か

を考えてみることです。

では、そのストーリーを考えるポイントとは何かを、ぼくなりに抽出してみました。

相手の持っているストーリーを考えるポイント

  • 相手の価値観を理解する
  • 彼はなぜここにいるのか「原点(スタート地点)」を知る
  • 現在に至るまでの時代背景や情勢・環境を考察する

それでは、以下で1つひとつ解説していきますね。

相手の価値観を理解する

まず、「相手の価値観を理解する」についてです。

これは昨今とても言われているキーワードですよね。

また、組織の価値観と相手の価値観をすり合わせるというふうにも言われていたりします。

ただ、この価値観を相互に発信しあう場というのが少ないのかもしれませんね。

「価値観を相互に発信しあう場」のデザインをいかにチームの中に作っていけるかがポイントとなってくるでしょうね。

「あなたの価値観を教えてください」って言ってもなかなか出ないですしね。

価値観や相手の情報を整理するものとしては、以前「1on1の前に整理しよう」とご紹介もしていましたので、参考になればと思います。

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彼はなぜここにいるのか「原点(スタート地点)」を知る

次に、「彼はなぜここにいるのか」というのを考察していきましょう。

  • 「何を動機に今の会社に入ってきたのか?」
  • 「どういう強みを生かしてこれまで仕事をしてきているのか?」
  • 「何を発揮することが彼の喜びになるのか?」

こういった、相手の原動力や目的などについて、あれこれ思案してみることも大切ですね。

「行動は行動を予測する」という行動心理学のセオリーもあるくらい、まずはその人の行動から予測できる原点を知ろうと妄想することから始めてみても良いでしょうね。

この辺りは、人の行動の観察が非常に大切になってきますね。

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現在に至るまでの時代背景や情勢・環境を考察する

そして最後に、「現在に至るまでの時代背景や情勢・環境を考察する」ですね。

例えば、同世代の人だったら同じ社会変化の中に埋もれてきていたり、流行りやトレンドなども近しいものをたどっているので理解し合えますよね。

ただ、世代の違う人とであれば、トレンドや社会背景も異なります。

どういった環境で育ったのかについても、違いをもたらす大きな要因になりますね。

こういったものは、相手の能力的な部分にも大きな変化を与えます。

例えば、決断力というコンピテンシーは、バブル世代以前のマネジャー層の人は、比較的高い傾向にありました。

これは、企業の予算が潤沢でリスクを負わなくても成功する確率が高かったから思い切った意思決定が出来るような環境だったという要因が大きいですね。

一方で、2000年代以降のマネジャーは決断力が下がった一方で、分析力が高まった傾向があります。

緻密な意思決定をしなければ企業としてもリスクの大きい時代に変わったからですよね。

このように、どのような組織環境にあったかなどによって、相手の能力の特徴にも表れる傾向があります。

ぜひ、こういった広範囲な「ナラティブ」においても、読み解いてほしいですね。

妄想から始める対話をスタンダードにしよう

妄想でもいいので、まずは相手の「ナラティブ」を読もうとすることを積極的にできるようになるといいですね。

上記のようなポイントを考えることがまず重要であって、それが正しいか正しくないかというのはその後の問題だと思います。

その後の問題というのは何か?

それが対話だと思います。

事実ではない妄想めいたことを、対話を通じて理解しあっていけるのが理想的な対話ですね。

(と、個人的に思います)

また、相手の「ナラティブ」だけではなくて自分の「ナラティブ」もまた自分でしっかりと理解しておくと良いですよね。

自分のナラティブと相手のナラティブを、客観的にそれぞれがメタ認知できるようになること。

こうして、チームや組織の中で、どのようにお互いの「Win-Win」が構築できるのかを「対話」し合えるチームが素敵ですね。

まとめ:おすすめ本の紹介

いかがでしたでしょうか?

今回は「相手に対する”答えのない問い”をあれこれ考える「ナラティブ」への姿勢と対話が成果に結びつく」と題してご紹介してまいりました。

生産性や効率性の追求が謳われている今の組織の中で、どこまで「一見ムダに見える対話」を成果に結びつけるのか。

キーになるのがこの「ナラティブ」だと思えてなりませんね。

ちなみに、この記事はめちゃくちゃ以下の書籍にインスパイアされてますので、ぜひ参考にしてみてくださいw

ハイフェッツの「適応課題」の解説とか、こっちの方が↑わかりやすいですよw)

また、マネジャーの能力について書かれているものは、以下の書籍を参考にしていますので、興味がある方は読んでみてください。

 

それでは、また次回。

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