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外部適応におけるジレンマとは?組織学習が組織を硬直化させる:人は変化・成長を求めてない

外部適応のジレンマの画像

これを読んでいる人は、以下のような悩みや疑問を持ったことはありませんか?

  • 外部の変化に合わせてもっとうまくいくやり方を模索していきたいな。
  • いつまでも今までのやり方にこだわってやっていても成長できないな。
  • 昔はこのやり方で通用したけど今はまた変わるべきだよね。

このように会社組織の中で悩む人もたくさんいますよね。

昔のやり方ばっかりやっていて、今は全く通用しなくなっている事はたくさんあります。

ただ、そのやり方も、昔の外部環境の適応によって生み出されたやり方だったりしますからね。

つまり、何か新しいやり方を模索して、それを構築してしまったとしても、そのやり方に固執してしまうと、外部適応できなくなるジレンマを組織というのは抱えています

このようなジレンマを、「外部適応におけるジレンマ」といいます。

外部適応におけるジレンマが発生するメカニズムは以下です

外部適応のジレンマが発生するメカニズム

  • 外部環境に適応しようと試行錯誤する
  • 試行錯誤したやり方で成功する
  • 成功したやり方に固執する

今回は「外部適応におけるジレンマとは?組織学習が組織を硬直化させる:人は変化・成長を求めてない」と題してご紹介していきます。

変革ってやっぱり難しいですね。

それでは、さっそくみていきましょ〜。

もくじ

外部適応におけるジレンマ

ここでは、外部適応におけるジレンマについて解説していきます。

外部適応におけるジレンマが起こるメカニズムは、改めて以下です。

外部適応のジレンマが発生するメカニズム

  • 外部環境に適応しようと試行錯誤する
  • 試行錯誤したやり方で成功する
  • 成功したやり方に固執する

組織は外部適応しようと、いろんなやり方を試行錯誤しながら内部プロセスを改善し、そのために「さまざまな学習」をして外部の環境に適応していくことが必要になります。

例えば、

これまでに無かった新しい営業ノウハウや提案内容を学んで、そのやり方を他の営業メンバーにも展開し、他のクライアントに転用して売上を拡大する、

みたいなことも、外部適応における「組織の学習能力」に含まれますね。

ただし、この学習には、組織の環境適応を阻害する側面もあったりします。

つまり、成功体験にいつまでも固執してしまうとか、なかなかそのやり方から脱却できないというのが、まさにそれですね。

この組織の中における学習が、組織の思考と行動を長期的に硬直化させる恐れがあると言われています。

ここでみえてくるのは、以下のような本質的なパラドックスです。

組織の学習が組織を硬直化させるパラドックス

  • 人は本当は外部の環境に適応するために「成長・変化」したくない
  • 同じやり方をして成果が出れば、新しいこと(無駄かも知れないこと)を学ばなくて良い

つまり、学習する組織は長期的に存続できないというのが、この外部適用におけるジレンマです。

外部適応のジレンマの克服

ではどのようにすればこの外部適応のジレンマを克服できるのでしょうか。

最も言われていることとしては、「新たな事業領域を作る」であったり、「新たなビジネスモデルを作る」という点です。

つまり、ここにおいて組織の革新性や創造性が重要になってくるわけですね。

先ほどの「組織の学習が組織を硬直化させるパラドックス」でも見ましたけど、個人に革新性や創造性を求めるのは非常に難しいです(個人の意見です)。

なぜなら、人は変わりたくないからですね。

のですが、組織の仕組みとしてこの革新性や創造性をもたらすものを作るという事をよくしますよね。

例えば、新規事業のビジネスコンテストみたいなものがこれにあたります。

ここに、能力としてリーダーシップを持った人材が集まったりします。

また、テクノロジーの活用や社内システムの革新といった面でも、新たな事業領域またはビジネスモデルを構築していきます。

これを収益に結びつけられるように計画を組んでいきます。

効率性の犠牲と革新性の追求

一方で、「収益に結びつける」あるいは「収益を最大化」させるためには、以前ご紹介した内部適応で発生するような試行錯誤をするコストも発生してきます。

つまり、当たるか当たらないかわからないビジネスに対して膨大な投資をしなければいけないという事ですね。

革新的な事業領域やビジネスモデルを構築するためには、マクロの視点で「効率性を犠牲にしなければいけない」です。

この点は、新規事業を成功させる3つの視点をいかにうまく回すか、センスが問われる部分ですけど。

また、効率性を追求するのであれば、革新性はなかなかもたらしづらいというのも、この外部適応のジレンマかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は「外部適応におけるジレンマとは?組織学習が組織を硬直化させる:人は変化・成長を求めてない」と題してご紹介してまいりました。

ま、参考になる人に参考になれば。

それでは、また次回!

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