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能力向上をもたらす「経験学習サイクル」の正しい回しかた:持続可能な成長をもたらす循環モデル

これを読まれていらっしゃる方は、おそらく「経験学習」というワードを聞いたことがあるかもしれませんね。

経験学習というワードは、1on1ミーティングと一緒によく言われるようになった言葉という印象が強いですが、実は1980年代ごろから研究されてきている分野ですね。

このサイトでも以前簡単にふれたくらいでしたが、今回は、少しだけ学術っぽい理屈のところご紹介してまいりました。

経験学習には、回すべきサイクルがあります。

そのサイクルが以下ですね。

経験学習サイクル

  1. 具体的経験
  2. 内省的観察
  3. 抽象的概念化
  4. 能動的実験

今回は「能力向上をもたらす「経験学習サイクル」の正しい回しかた:持続可能な成長をもたらす循環モデル」と題してご紹介してまいります。

このサイクルを、ていねいと確実に回すことを意識したら、かなり成長も爆速しますよね。

(めちゃ大変ですけどね…w)

それではさっそく見ていきましょう。

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もくじ

経験学習サイクル

経験学習サイクル

それでは、ここから経験学習のサイクルについてご紹介していきたいと思います。

経験学習のサイクルをもう一度ご紹介しますね。

経験学習サイクル

  1. 具体的経験
  2. 内省的観察
  3. 抽象的概念化
  4. 能動的実験

(言葉を読めば、何となくイメージが持てるかと思います)

以下で1つひとつ見ていきましょう。

具体的経験

1つ目が「具体的経験」ですね。

学ぶ人本人が、他者や環境に働きかけることで起こる得ていく経験のことを「具体的経験」と呼ばれています。

この「具体的経験」が経験学習のスタートでもあり、ゴールでもありますね。

ちなみに、この「経験」のレベル感で言うと、「本人がちょっと努力したり、工夫したりする挑戦的な経験」というのが学術的な定義です。

この辺りは、以前にも書いた小さなトライの積み重ねと考え方が似ているかしれませんね。

現在保有している能力以上のストレッチをすること。

そりゃ成長しますよw

(余談ですが、全ての経験にこのようなストレッチが求められるからこそ、職場の「心理的安全性」や「承認・賞賛」といった雰囲気づくりが必要なのかもしれないですね。)

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内省的観察

2つ目は「内省的観察」です。

「内省的観察」とは、具体的な経験などの「実践・現場・事業」からいったん離れて、行為や出来事、事実や経験を俯瞰的にふりかえることを言います。

いわゆる「リフレクション」と呼ばれているヤツですね。

一般的にこの「内省的観察」の内容には2つの観点があるといわれています。

「内省的観察」の内容には2つの観点

  • ある状況下や出来事における自分の行動の振り返り
  • ある前提(誰かが関わっている状況や文脈など)に作動している構造や力学の振り返り

2つ目の方がより深い内省だともいわれていますね。

確かに、こういったメカニズムに気づいていくことも、とっても大事かも。

ちなみに、この「内省的観察」は一人で行うこともできますし、他者と相互に行うことも有用だとされていますね。

抽象的概念化

3つ目は「抽象的概念化」です。

この「抽象的概念化」とは、内省を通じて「ルール」や「法則」、「メソッド」などといった抽象的な「知識」や「理論」を創りだすプロセスをいいます。

ナレッジ化したり、体系化したりするイメージですね。

独自の教科書を作るような作業である「研究」にもちょっと似てますかね。

能動的実験

最後の「能動的実験」についてご紹介します。

これが「経験学習サイクル」の最終行程ですね。

上記の経験を通じて構築されていった「知識」や「理論」が実際に実践されてこそ意味があるものだと思います。

その実践(アクション)からさらに次の具体的経験や内省が生まれていくというサイクルが出来上がっていきますね。

「能動的実験」では、新しい状況下で作りたした「知識」や「理論」を実践する試みとしてとらえていただけたらと思います。

こういうのって、サイクルを回すのが大変なんですよね

ぼく自身の感想としては、1on1ミーティングなどの場では、②の「内省的観察」で終わっていることが多いですね(ってかほとんどだったかも)。

また、デイリーリフレクションとして行っている「日記」では、いちおう④までは考えてはいますが、①へとしっかり接続されてない状態ですね。

こういうのって、サイクルを回すのが大変なんですよね。

サイクルを回せば、「抽象的概念化」で生み出した「知識」や「理論」の精度も、どんどん切れ味のあるものになっていきます。

そして、それらをど「能動的実験」として取り組んでいって、自己成長に結びつけていくのが望ましいんですよね。

(ぼくだったら、サイクルを回すために、誰かにサポートして欲しいかもです)

まとめ:持続可能な成長をもたらす循環モデル

いかがでしたでしょうか。

ストレッチした経験を実践しつつ、それを観察し、上手くいくように理論立てていく。

そしてその理論に再現性があるかをまた試しつつ、工夫改善をするサイクル。

まさに持続可能な成長をもたらす循環モデルですね。

(これだけだといっぱいいっぱいになりそうなので、やっぱり賞賛や承認欲求を満たすような場づくりも必要そうですね。)

今回は、「能力向上をもたらす「経験学習サイクル」の正しい回しかた:持続可能な成長をもたらす循環モデル」と題してご紹介してまいりました。

このサイクルを回すってことを、時々思い出してみてください。

それでは、また次回。

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