会社の研修を企画する人の中には、「問題解決研修」とか「ロジカルシンキング」とか、おもに仕事で使われる「思考力」を高める研修を考える人もいますよね。
そのような研修で、便利で使えるツールをご存知ですか?
それが「インバスケット演習」です。
「インバスケット試験」とか、「インバスケット思考」とか、どこかで耳にしたこともあるかもしれませんね。
それに、インバスケットって、2010年代初頭あたりで流行ったりもしました。
実は、その歴史もかなり古いものなので、「使い古された感」もあるのですが…。
とはいいつつも、研修ツールとしては学習効果も高い良いツールだったりもします。
今回は、そんなインバスケットを「インバスケット演習は色んな研修に使えますよ:同じ状況と役割から学びあえる相互啓発型の演習ツール」と題してご紹介してまいりたいと思います。
それではさっそくみていきましょ〜。
もくじ
インバスケット演習とは
それでは、インバスケット演習とはなんなのかについてご紹介してまいります。
インバスケットとは、まだ決裁がされていない書類が入った「未決箱」を意味します。
現在だと、未開封のメールが溜まった受信箱をイメージすると分かりやすいかもしれませんね。
インバスケット演習とは
未決裁の書類が入った「未処理箱」を意味します。
主人公の立場になりきり、どの職場でも起こりそうな案件(例:お客様からのクレーム/部下からの相談など)を、制限時間内にどれほど的確に、迅速に、精度高く処理できるかを測ります。
管理者の選抜や訓練に有効な手法として、近年各方面から注目されています。
引用:https://www.in-basket.jp/
それでは、このインバスケット演習がどんな研修のときに役立つのか、ねらいやそれぞれの学習効果について解説していきます。
インバスケット演習を研修で使ったときのねらい
それでは、インバスケット演習を研修で使ったときのねらいについて解説をしていきます。
大きなねらいとしては、以下ですかね。
インバスケット演習を研修で使ったときのねらい
- 若手社員の問題解決力向上
- 次期マネジャーのマネジメントの擬似体験
- 既任マネジャーなどの方針策定力向上
ぼくも上記のようなテーマで、研修を企画提案したり、研修の実施をしたこともあります。
1つひとつご紹介していきますね。
若手社員の問題解決力向上
1つ目が、「若手社員の問題解決力向上」ですね。
若手社員の問題解決力向上の学習効果としては、以下のような感じでイメージしてもらえたらと思います。
学習効果
- 演習への対処方法を俯瞰的に、かつ客観的に考えることができる機会になる
- 演習で処理した内容を、受講者同士で話し合うことで気づきが得られる
- 演習ケーススタディとして問題解決手法を学ぶ学習意欲が高まる
あるメーカーでは、2年目や3年目の社員さんに対して、インバスケットを通じて問題解決研修を実施していますね。
早い段階から人を巻き込んでいきながら成果を出さないといけないような企業では、積極的に研修でも使われているツールです。
次期マネジャーのマネジメントの擬似体験
次に、「次期マネジャーのマネジメントの擬似体験」ですね。
次期マネジャーのマネジメントの擬似体験の学習効果は、以下のような感じです。
学習効果
- 演習を通じてマネジメントの擬似体験ができる
- 演習を振り返り「人と仕事のマネジメント」への学習へ落とし込める
- 現状の仕事のスタイルの棚卸しになる
- 次のキャリアに向けた課題の気づきが得られる
インバスケット演習そのものが、アセスメント研修などで使われる演習課題なので、マネジメントのシミュレーションとしても使えるツールです。
今後マネジャーになった時に、どのようにして「人と仕事のマネジメント」をおこなっていくかなどを理解してもらうのに有効ですね。
次期マネジャークラスを対象とした研修で使われることが一番多いかもしれませんね。
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既任マネジャーなどの方針策定力向上
最後に、「既任マネジャーなどの方針策定力向上」ですね。
既任マネジャーなどの方針策定力向上の学習効果は、以下です。
学習効果
- 演習を通じてマネジメントの擬似体験ができる
- さまざまな課題に対して明確に優先順位を持つことが気づける
- マネジメントをする立場として人へ伝える方針を作ることの重要性が学べる
- 自ら方針を作ることの難しさと「言い切る覚悟」が擬似体験できる
職場の問題や課題、タスクに対して、自分自身がどうしていきたいかを明確に方針を描くのに使われる。
研修のスケジュールや流れの組み方にもよりますが、「リーダーシップ開発をねらいとした研修」でも用いたりもできる、おすすめのやり方ですね。
まとめ:自分の仕事のスタイルの棚卸しに使える
実は、他の人と同じ状況で同じ課題に取り組むことって少ないですからね。
インバスケット演習の良さは、同じ演習課題を通じて、他の人がどのような思考や気づきをするのか、問題解決に向けたどんなアクションプランを作るのか、その違いを研修の受講者同士お互いに学びあえるところですね。
ぜひ興味があれば、取り入れてみてください。
今回は、「インバスケット演習は色んな研修に使えますよ:同じ状況と役割から学びあえる相互啓発型の演習ツール」と題してご紹介してまいりました。
それではまた次回。
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