システム思考について知りたい人「システム思考ってどんな思考法なのかな?組織の問題を構造的にとらえるのに、9つの原型があるっていうけど、どんな原型なのか知りたいな~。」
このような疑問にお答えしていきます。
システム思考とは、以下のような思考法ですね。
システム思考とは
- システム思考とは、全体の構造をみるように鍛錬する思考法
このように言われています。
システム思考は9つほどの原型があって、その概要は後ほど紹介します。
個人的な意見というか、結論でもありますが、9つある原型(組織の学習問題)を解決するにはやっぱり戦略が大切だってことですね。
要するに、どこで(or いつ)負けて、どこで(or いつ)勝つのか、長期戦略を設計しない人は、きっとうまくいかないと思いますよ。
今回は「学習する組織のディシプリン①システム思考とは?ものごとの全体を捉えた構造の9つの原型」と題してご紹介してまいります。
ちなみに学習する組織に関連する”組織開発”については「組織開発の本でおすすめの書籍を紹介します:入門から専門的理論と体系論を学びたい人向け」でおすすめ本を紹介しているので、よければ参考にしてみてください。
それでは早速みていきましょ〜。
もくじ
システム思考を身に付けるコツ:”相互関係”と”変化の過程”
ここではシステム思考を身に付けるコツについてご紹介していきます。
学習する組織の5つのディシプリンの1つですね。
冒頭でもご紹介していますが、システム思考とは以下のようにいうことができます。
システム思考とは
- システム思考とは、全体の構造をみるように鍛錬する思考法
このシステム思考を身に付けるコツは”相互関係”と”変化の過程”に着目することですね。
”相関関係”とは、複数が相互に影響を与えるループ状の”相関関係”をイメージしてもらえるといいですね。
なので、物事の原因と結果からできている”因果関係”とは異なります。
部分がどのように連動しているのかを発見するのがポイントです。
一方で、”変化の過程”は、どのように変わっていくのか”過程”としてとらえることがポイントです。
注意すべきは、”出来事”に着目すると学習が止まってしまいますので、全体の構造の中で何が起こっているのかを考えることがポイントです。
学習する組織の5つのディシプリンについては「学習する組織の5つの構成要素とは?ノウハウではなくディシプリンと呼ばれる”鍛錬”の道」でも紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
出来事に執着してしまう学習障害については「組織が学習できない7つの理由:ほとんどの企業が気づきながら見ないフリをする”学習障害”」でも紹介していますよ。
システム思考の9つの原型
ここでは、システム思考の9つの原型についてご紹介していきます。
9つの原型とは、以下のようにネーミングされています。
システム思考の9つの原型
- 遅れを伴うバランス型
- 成長の限界
- 問題のすり替わり
- 目標のなし崩し
- エスカレート
- 強者はますます強く
- 共有地の悲劇
- うまくいかない解決策
- 成長と投資不足
それでは、以下で1つずつご紹介していきます。
システム思考の9つの原型①:遅れを伴うバランス型
1つ目のシステム思考の原理は「遅れを伴うバランス型」です。
これは、フィードバックが遅いために、必要以上の是正措置を取ってしまったり、あきらめてしまう事ですね。
対処法としては、忍耐強く待ったり、遅れを改善するのが合理的な方法ですね。
システム思考の9つの原型➁:成長の限界
2つ目のシステム思考の原理は「成長の限界」です。
これは、加速的な成長が止まってしまったり、減速してしまうことをイメージしてもらえるとよいですね。
対処法としては、自己強化を進めるのをやめてみて、周囲に存在する制約条件を取り除くことをやってみるとよいと言われています。
システム思考の9つの原型③:問題のすり替わり
3つ目のシステム思考の原理は「問題のすり替わり」です。
これは、短期の対処療法的な解決策を用いることで、根本的な解決が手つかずになることをイメージしてもらえるとよいと思います。
対処法としては、これも忍耐強く根本的な解決策に徹するというのが常套手段だと言われています。
システム思考の9つの原型④:目標のなし崩し
4つ目のシステム思考の原理は「目標のなし崩し」です。
これは、短期的な解決策として、長期的な根本目標を下げてしまう事と言われていますね。
対処法としては、強力なビジョンを掲げる、そしてそれを守るのが良いとされています。
システム思考の9つの原型⑤:エスカレート
5つ目のシステム思考の原理は「エスカレート」です。
こちらは、競争のように相手への相対的な優位を求めてしまって必要以上の活動を行うこととです。
これに対する対処法としては、組織内においては双方が勝つ方法を見つけるしかないですね。
システム思考の9つの原型⑥:強者はますます強く
6つ目のシステム思考の原理は「強者はますます強く」です。
これは、限られた資源をめぐって競い合い、一方が成功すれば資源がどんどん増え、片方は欠乏していくという状態です。
これに対する対処法は、両者が目標を達成できる方法を見つけるか、両者を切り離すしかないでしょうね。
システム思考の9つの原型⑦:共有地の悲劇
7つ目のシステム思考の原理は「共有地の悲劇」です。
これは、個人が共有資源を個人の目的の為に活用し、その減少した資源をさらに増やすために利益を圧迫させ、さらに努力を重ねて疲弊していく構造ですね。
これに対処する方法は全員への教育や自主規制、組織のガバナンスが有効とされています。
システム思考の9つの原型⑧:うまくいかない解決策
8つ目のシステム思考の原理は「うまくいかない解決策」です。
こちらは、短期的には効果を上げる解決策が長期的には予期しない結果をもたらし、その結果にたいしてまた同じ解決策を用いるという構造ですね。
長期的に見て、短期的な施策をやめるというのが根本解決です。
システム思考の9つの原型⑨:成長と投資不足
9つ目のシステム思考の原理は「成長と投資不足」です。
これは、能力増強への投資が積極的・迅速に行われず、成長がとまって業績が低迷するパターンですね。
これは、需要に先駆けて能力増強を行うのが対処法として言えるでしょう。
システム思考のおすすめ本
おすすめ本
学習する組織の思考としては、システム思考は大前提となってくるものなので、これを機に勉強してみてはいかがでしょうか?
対話をする上での組織の構造が捉えられる思考が身に付きますよ。
まとめ:長期視点と全体俯瞰が役に立たない組織の罠
いかがでしたでしょうか?
改めて、ポイントは以下ですのでご紹介しておきますね。
システム思考とは
- システム思考とは、全体の構造をみるように鍛錬する思考法
冒頭にも言いましたが、やっぱり戦略が大切だと思いますよ。
大体は序盤に意図的な負けを設計して、後半に勝てるようにするのが戦略です。
ただ、そうすると人事制度とか半期の目標管理(MBO)とか、それに染まってる上司とかに短期的には評価されないのが現実ですけどね。
そのメンタリティに屈っしてしまって、結局は”すべてに勝とうとする目先に捉われた思考と行動”になっちゃって、うまくいかないってことがほとんどです。
おっさん(おばはんも)どもは、”全体構造を見て考える”とか、”長期的視点に立って考える”とか、いう人はたくさんいます。
でも、実際にそれを体現して”行動”している人はあまりいないっすね(僕は見たことないです)。
システム思考がうまくいかないのには、こういった組織の罠もあるんじゃないすかね。
ま、ちょっと考えてみて下さい。
今回は「学習する組織のディシプリン①システム思考とは?ものごとの全体を捉えた構造の9つの原型」と題してご紹介してまいりました。
それではまた次回!