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組織開発のアンチテーゼとなるチェンジマネジメント:成果とプロセスを統合する経営課題

組織開発のアンチテーゼとなるチェンジマネジメント:成果とプロセスを統合する経営課題
悩んでいる人

組織開発の変化について知りたい人「組織開発ってどんなふうに変化してきたのかな?時代によって組織の考え方って変わってきているけど、組織開発にはどんなふうに影響しているのかな?」

このような疑問にお答えしていきます。

これを読んでいる人は、組織開発の考え方の対比として、「チェンジマネジメント」についてもご存じなのではないでしょうか?

この記事でご紹介する内容としては、以下です。

組織開発の時代の変化

今回は「組織開発のアンチテーゼとなるチェンジマネジメント:成果とプロセスを統合する経営課題」と題してご紹介していきます。

ちなみに、組織開発の歴史をサクッと知りたい人は「組織開発の歴史の流れ:哲学からスタートした組織開発のトレンドとは?歴史の活かし方も解説」でも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

それでは早速みていきましょ〜。

もくじ

組織開発と時代の変化:チェンジマネジメントの台頭

ここからは、改めて組織開発の時代の変化についてご紹介しておきます。

冒頭でもご紹介していますが、組織開発の時代の変化は以下ですね。

組織開発の時代の変化

以下で1つずつ解説していきます。

組織開発と時代の変化①:人間尊重の時代だった1960年代

1つ目は「人間尊重の時代だった1960年代」ですね。

1960年代は、世界的にも人間尊重ブームでした。

キング牧師の人種差別撤廃、ベトナム反戦運動、ヒッピームーブメントなどなど。

この追い風に乗ってNTLのチェンジエージェントたちが活躍し、組織開発はどんどんアメリカの企業の中でも浸透・発展した時代でもありました。

この当時は、「組織の理想像」というのはよく定義されて、それに向けて組織開発を支援する手法が主流となりましたね。

例えば以下のような理論ですね。

ちなみに、NTLチェンジエージェントについては「組織開発の成り立ち:チェンジエージェントとサーベイ・フィードバックの2つの源流を解説」で紹介しています。

組織開発と時代の変化②:戦略が求められた1970年代

2つ目は「戦略が求められた1970年代」です。

1970年代がオイルショックや不景気によって外部環境の変化に耐えられる戦略論が求められるようになっていきました。

コンティンジェンシー理論もそれですね。

状況によって組織の良さは変わるもので、理想像は常に変化する考え方です。

有名なチャンドラーも「組織構造は戦略に従う」っていってますよね?

この時代から、組織の現状のデータを集めて分析する「診断型組織開発」とか、クライアントを中心に問題を解決する「プロセス・コンサルテーション」が生まれてきます。

組織開発と時代の変化③:窮地に追い込まれた1990年代→チェンジマネジメントの台頭

3つ目は「窮地に追い込まれた1990年代」です。

1980年代には組織開発はブームになって、戦略から日本のQCサークルとか、人材マネジメントにおいても広がっていきます。

しかしながら、1990年代のチェンジマネジメントによって組織開発は一気に衰退していきますね。

チェンジマネジメントは成果や経済的な価値を大切にしていて、コンサルタントとか経営者といった少数精鋭で進める手法が流行りました。

タスクフォースとか、まさにそれですね。

この考え方は組織開発とはまるで真逆で、当時の企業の旧態依然とした組織体制を一気に改革するには適した手法だったんですよね。

コンプラとかダイバーシティとかインクルージョンとか

これまで見てきたのが、組織開発の時代の流れで、まさに今、組織開発的な組織論がもてはやされているのがなんとなくわかって来てもらえたかな?と思います。

ま、それだけ日本経済下にある「大手組織が財務的にも余裕が出てきてるのかな?」といううがった見方をどうしてもしてしまいがちですね。

お金に余裕がなければ、経営者や資本家は人間尊重なんてこと言ってられないですからね。

経営者や資本家は利益がでなきゃ、自分の懐ばかりが痛むばかりですからね。

それを差し置いてでも人間を尊重したり、プロセスを重視したりとか、そんな余裕は無いわけです。

ここ数年で見ると、コンプライアンスの加速化であったり、ダイバーシティなども、余裕がないと、「重要な経営戦略だ」なんて、ぶっちゃけ言ってられないハズです(あんまり言っちゃダメな意見かもだけどw)。

労働市場から見ても、労働力を提供してくれる人材は減少していく一方なので、労働者から選ばれる組織になるためには、「売り手市場に合わせた組織づくり」に舵を切りたくなります。

ま、冷静に「こういう時代だから、あえてこっちに舵を切ってる」って時代の流れを俯瞰した上で組織開発などの施策にも取り組んでもらうと、時代に適応した意思決定もできるんじゃないでしょうか?

生産性の確保、人間性の尊重、社会性の実現、この3つがいま時代の流れとしてどれが求められているのかをよく良く分析してみるのもありだと思いますね。

ちなみに、生産性・人間性・社会性については「組織マネジメントのフレームワーク:3つの目的とは?必ずしも生産性だけではありませんよ。」でも紹介しているので、よければチェックしてみてください。

組織開発の時代の流れがつかめるおすすめ本

ここでは、組織開発の時代の流れがつかめるおすすめ本について少しご紹介しておきます。

組織開発の時代の流れがつかめるおすすめ本

戦略パートナー/チェンジ・エージェントとしての 人事部が取り組む組織開発」はPDFで読めるので、要チェックですよ。

よければ参考にしてみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

改めて、ポイントは以下ですのでご紹介しておきますね。

組織開発の時代の変化

これくらいの粒度で、歴史はきっと繰り返すんだと思います。

今回は「組織開発のアンチテーゼとなるチェンジマネジメント:成果とプロセスを統合する経営課題」と題してご紹介してまいりました。

それではまた次回!

関連記事組織マネジメントのフレームワーク:3つの目的とは?必ずしも生産性だけではありませんよ。

関連記事組織開発の成り立ち:チェンジエージェントとサーベイ・フィードバックの2つの源流を解説

参考記事組織開発の歴史の流れ:哲学からスタートした組織開発のトレンドとは?歴史の活かし方も解説

参考記事日本の組織開発の歴史とは?現場主導&相互啓発を重んじるスタイルが日本の組織にもフィット

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