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人材の能力を定義した”コンピテンシー”と”ディメンション”の違いとは?マニアックな話

人事系コンサルティングの仕事をしていると、よく「評価」や「人材育成」のことをお話ししたり考えたりすることが多いです。

その中でもよく「能力」という言葉が出てきます。

このようなことを、よくお話しします。

会社としては社員にこの「能力」を高めてもらって、高い成果を出してほしいと目論んでいますよね。

そのためにも、たくさん研修をしたり職場で育てるような仕組みを作ったりしています。

この「能力」のことを「コンピテンシー」と言ったり「ディメンション」といったりします。

「言いかたが違うだけ?」

「どっちでもええやん…」

「要は能力のことでしょ?」

はい、おっしゃる通りですね。

お客さんと会話をしている時は、この違いはなんなのかとか正直どちらでもよくて、ぶっちゃけ関係ないですね。

ただし、この「能力を作る(定義していく)」ときに、大切になってくる思想があったりします。

今回は、この「コンピテンシー」と「ディメンション」の違いについてご紹介していきます。

(めちゃくちゃマニアックな話なので、興味があればお付き合い下さいね)

もくじ

コンピテンシーとディメンションの違い

それでは、ここで「コンピテンシー」と「ディメンション」は何が違うのかについて解説をしていきます。

一言でいうと、設計思想がちがいます。

それではコンピテンシーとディメンションは、どのように設計思想が違うのかについて話していきます。

コンピテンシーの設計思想とは

コンピテンシーの作られ方としては、以下です。

コンピテンシーは、優秀な成績を収めている社員の行動をインタビューして作られていきます。

優秀な成果を出している人(ハイ・パフォーマー)が成果を出すために、どのように考え、どのように行動しているのかを引き出していきます。

その考え方や行動に名称をつけたのが、一つひとつのコンピテンシーになります。

過去の具体的な行動をかなり詳しいレベルまでインタビューをします。

その行動がどのような成果を上げたのか、成果と行動を紐付けていくように整理して作っていきますね。

ディメンションの設計思想とは

いっぽうで、ディメンションは経営者の人にインタビューをすることが多いです。

経営者の方に、未来の事業や、将来のビジネス環境の中で、どのような人に活躍してもらいたいかについてインタビューをしていきます。

また、どのような人が成果を出すと思われる人物像についてインタビューをしていきます。

そこで、具体的に出して欲しい成果にむけて、どのような行動をとっていて欲しいのか、具体的に話していきます。

このようにして未来の成果に向けて取るべき行動にラベルをつけたのが、ディメンションになります。

エビデンス志向と未来志向

上記のようにみてみるとコンピテンシーとディメンションの設計思想の違いがわかっていただけるかと思います。

コンピテンシーは過去の成果を出した人と同じ行動をとれば同じ成果が出るであろうと言うエビデンスに基づいた設計思想(エビデンス志向)になっています。

ディメンションは、想像される未来の人材象から導き出されて、能力として定義づけられて作られる設計思想(未来志向)になっています。

どちらが正しくて、どちらが使いづらいという話ではないですけどね。

例えるなら、コンピテンシーは「モンタージュ写真」、ディメンションは「イラスト」くらい異なるイメージですかね。

比較的に作りやすいのはコンピテンシーです。

ただし、将来に向かっての成果を出すという考え方としてはディメンションの方が適しているケースも多いので、やっぱり一長一短ありますね。

この辺は短期的視点に立つのか(コンピテンシー)、中長期的な視点に立つのか(ディメンション)においても、作り方を検討してみても良さそうですね。

まとめ

コンピテンシーとディメンションの違いについてお分かりいただけましたでしょうか。

世間一般的には、全くといっていいほど、これらの細かい違いというのは実は理解されていません。

(する必要もないかもです)

どちらも一般的には「コンピテンシー」あるいは「能力」と呼ばれていたりするので、あまり気にしなくてもいいかもしれませんね。

今回はかなりマニアックで専門的な話題でしたが、参考になる方には、参考にしてもらえたらと思います。

(こういう違いが説明できると、「専門家っぽい」ですからね)

それでは今回はこの辺で。

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