はたらく人の能力や、持っている素質を活かした人材マネジメントをしたいと考える経営者や人事の人は多いですよね。
やっぱ才能と情熱ですね!
でも、人を活かそうと考えるときに、「何から考えていけばいいか、整理ができない」と悩む経営者の方もいらっしゃいます。
(カスタマーサクセスをしていた時代は、そんな経営者の方々の「壁打ち(悩み相談)」をよくさせていただいてました。)
そんな時に使えるのが、「タレント・オプティマイゼーション」というフレームワークです。
- 「タレント・オプティマイゼーション?」
- 「検索しても出てこないよ」
- 「聞いたことないよ、そんなフレームワーク」
そうなんですよ…、あまり日本でも知られてなくて。
タレント・オプティマイゼーションは、2005年くらいからアメリカの人材開発業界でよく使われていた考え方です(たぶんアップデートされて今は形が残ってないんでしょうね)。
戦略と組織それぞれを見たときに、人事の課題を見つけたり、何を明確にしていかなければいけないかを発見するのに、とても便利なフレームワークです。
今回はそんなタレント・オプティマイゼーションについて解説していきます。
もくじ
タレント・オプティマイゼーションの全体像
(こんなような図だった記憶です…そんなにハズレてないと思う…)
一つひとつの要素について、説明していきます。
Mission・Vision・Value(ミッション・ビジョン・バリュー)
会社や組織が目指すゴールですね。
会社が存在する目的にでもあります。
将来的に目指していく「組織のありたい姿」が定められているものです。
Strategy(戦略)
ミッション・ビジョン・バリューより、少し短い期間で作られた中長期な経営戦略ですね。
事業戦略の場合もあります。
また、マーケットの中の競争戦略や差別化もこの背後には考えられていますね。
Organization(組織)
組織の中の要素としては以下のようなものがあると思います(ざっくりですけど)。
- 人事制度
- 組織文化
- 組織戦略
他にもいろいろあると思いますけどね…。
Key Success Factor(主要成功要因)
主要成功要因と呼ばれていたり、海外だとビジネスをドライバーと呼ばれているものですね。
例えば最近だと、DXやAI、SDGsとかDiverCityといった環境変化の要因を捉えることが多いですね。
(ビジネストレンドでもあるわけです)
Success Profile(求める人材象)
会社が求める人材像のことをサクセス・プロフィールと書いていますね。
位置づけとしては、主要成功要因の下にあるので、要因を成功させることができる人材像を明文化したものなると思います。
(これを作る仕事が多かったんですよねw)
このへんの作り方や考え方などは、また別の機会に紹介していきますね。
Assessment(評価・能力の可視化)
アセスメントはサクセス・プロフィールに近い人が会社にいるのか、育てるためにはどこを伸ばさないといけないのか、などを発見するために用います。
人事評価のような評価でも良いですし、360度診断や他のアセスメント(能力診断の手法)を使ってアセスメントをしている会社も多くあります。
Human Resource Management(人材開発・配置・報酬・採用)
最下層のレイヤーには、人材開発、配置、報酬などのリテンション、採用などの人事機能があります。
これらの人事的な機能を、ていねいにPDCAを回すサイクルがそれぞれの機能の中にあります。
タレント・オプティマイゼーションの使い方
それではこのタレント・オプティマイゼーションをどのように使うかを少しだけ触れていきます。
使い方は以下ですね。
タレント・オプティマイゼーションの使い方
- 要素のうち、どこがハッキリしていて、どこがハッキリしていないかをチェックする
- ハッキリしていない要素をピックアップし、具体的な施策や実行プランを考える
- 全ての要素に対して、PDCAの回し方、仮説検証のやり方を決めておく。
このような感じですね。
ここまで出来たら、あとはこれを進めていけばいいわけです。
1つめの、「要素のうち、どこがハッキリしていて、どこがハッキリしていないかをチェックする」ついて。
これはもうそのままですね。
タレント・オプティマイゼーションの全ての要素を見てみて、不明確なところをピックアップしましょう。
意外と、「そういえば戦略とか全く考えてなかった」なんてけっこう多いです。
そこに改めて気づいたりするのにすごく便利ですよ。
2つめの、「ハッキリしていない要素をピックアップし、具体的な施策や実行プランを考える」について。
例えば戦略はハッキリしていても、主要な成功要因がハッキリしてなかったりすることも多いですよ。
また、求める人材像がぼんやりとしているケースも多いです。
主要な成功要因を叶えるための人材が、どのような人材なのかをはっきりさせておく必要もあります。
ですので、必要な人材の能力は何かを作ったり考えたりもしますね。
3つめの、「全ての要素に対して、PDCAの回し方、仮説検証のやり方を決めておく」についてです。
ようは、PDCAの回し方をあらかじめ、ちゃんと決めておこうという話ですね。
施策を打って、それがうまくいったときの状態のイメージを作っておいたり、うまくいかない時は何が原因でうまくいかないのかの仮説を持っておくなどです。
また、どのようにチェックをするかというのも最初の段階でイメージしておくと運用が楽になりますね。
まとめ
人を本当にタレント(才能)としてとらえ直して、その才能をひらかせ、情熱を持って働ける組織にしていけると、めちゃくちゃ楽しい会社になりますよね。
このあたりは、できる・できないの議論ではなく、「不断の努力」だったりします。
興味のあるひとは、取り組んでみてください。
今回は「戦略と組織をつなぐ「タレント・オプティマイゼーション」というフレームが分かりやすい(記憶が曖昧ですが)」と題してご紹介しました。
(まぁあくまでもフレームワークでなかなか使いこなすのは大変だと思いますけれども)
ちょっとした時に課題を整理したり発見したりするときに、ぜひ使ってみてください。
それでは今回はこの辺で